ピロリ菌感染と胃がん

2018.3.11
今日は、まだ記憶にも新しい東日本大震災が起きた日・・・

院内でも今まで経験したことのないような揺れを感じ、アレ?俺ってついに・・・?
なんて焦った記憶があります

たくさんの命が奪われ、まだみつかっていない方もいらっしゃいますね。

あらためてご冥福をお祈りします。

このところ、まさに三寒四温。


春の陽気かと思えば、時には雪が降ったりと冬へ逆戻りの感もある松本平らです

で、わたくし事ではありますが、

一昨年、両親ともにがんで亡くしており、母が胃がん、父が胃がんから膵臓がん。
と2人に共通するのは、胃がんです

現在でも、胃がんの確立はかなり高いですが

とくに、高齢のかたに多いようです

そんな思いもあり、なぜ胃がんにかかるのか?

その原因の多くは?

を考えて調べてみました

胃がんの多くの原因は、ヘリコバクターピロリ菌の感染

皆さんも、よくピロリ菌って聞いたことがありますよね?
まずは、その感染経路について・・・

ピロリ菌の感染経路とは?

「ピロリ菌」とは、胃の粘膜に生息した場合、
これが生息していると胃や十二指腸などが病気にかかりやすくなります。

実はこのピロリ菌、現在3500万人の日本人が感染しているといわれています。

さらに60歳以上になると、その割合は約8割にもなります。

上下水道が整備される以前の日本で育った世代は、それだけ感染率も高くなります。

このことからも分かるように、ピロリ菌の主な感染経路は

昔、整備されていなかった時代の「水」です。

今ほど衛生的ではなかった時代の、生の水にピロリ菌などが混入していたそうです

 

今でも、発展途上国などでは、ピロリ菌の感染は多いとのこと

 

しかし、現在の日本のように水道設備が整備されている国では、

水道水で感染することはまずありません。

 

 

現在での感染経路は何か?

では、現在どのような経路で感染しているのかというと、

感染のひとつに、

 

ピロリ菌保持者からの「経口感染」が考えられています。

“口から口へ”唾液や食べ物が移動することにより、ピロリ菌が“人から人へ”移動していきます。

たとえば、親がかみ砕いたものを、子供に与える

など、唾液の感染が考えられます

※赤ちゃんの頃は、胃の粘膜が弱いため感染しやすい

 

では、親子でのチューなどのスキンシップでは、どうなのか?

というと、そのくらいでは感染しないようです

大人になると胃酸の分泌が多く胃粘膜も強くなるため、大人になってからの感染はなく

ほとんどが子供の頃に感染したと言うことになります

 

 

 

Q. 胃がんとお焦げの関係は?

A. ピロリ菌が発見される前までは、「塩分、魚や肉・魚のおこげ、炭水化物の取りすぎ、

あるいは性別(男性)」などが関係していると言われていました。

が・・・しかし現在は、

ヘリコバクターピロリ、以下「HP」

「HP感染のないところに胃がんは発生しない」ことが分かっています。

実際、「食塩、魚や肉・魚おこげ・・・」などの要因だけでは、胃がんは発生しません。

Q. 「HP感染のないところに胃がんは発生しない」のか?

A.ピロリ菌に感染していない胃がん患者は、わずかに0.66%。
・浅香正博教授(北海道大学):胃がん患者の98%はHPに感染。

と発表しています

 

Q. ピロリ菌に感染すると、何%の人が胃がんになりますか?

A. ピロリ菌陽性の人が1年間に胃がんが発生する率は平均0.5%ほどと考えられます。

Q. 年間0.5%とは少ない気が・・・

A. 年間0.5%は少ない数に思えるかもしれませんが、

「年々これが累積する。」

一生で考えると、ピロリ菌陽性の人の1割が胃がんになる計算になります。

50歳以上で8割の人がピロリ菌を持っているため、

この年齢以上の12人に1人が胃がんになる算になります。

実際、全国で一年に10数万人の人が胃がんにかかります。

 

そう考えると、ピロリ菌の検査や胃カメラなどの検査などで

早期発見・早期除菌に限りますね~?

今年こそはぜひ、初の人間ドッグをやってみようかな?と考えています

ちょっと嫌だけど・・・(^^ゞ